細胞には2種類があります。
一つは、精子と卵子のような生殖細胞。
もう一つは、体を構成する体細胞です。
体細胞は爪、臓器の細胞など自分がなるべき細胞に分化していき、その役割を果たします。
細胞は絶対に肉眼で判別出来ないものすごーく小さいものがほとんどですが、筋細胞や神経細胞みたいに全長が20~30cmあるものもあります。
体細胞には2種類あります。
①分裂や増殖が出来る細胞と、②分裂や増殖をしない細胞です。
①分裂や増殖をする細胞
(1)増殖性分裂細胞
これは、ずっと増殖を続ける細胞のことで、「増殖性分裂細胞」と言います。
例えば爪や髪の毛を切っても、またどんどん伸びて(増殖して)きますよね。皮膚は、新しい皮膚が毎日作られています。腸内の細胞も常に増殖しています。
ですが、その分裂機能はずっと同じではなく、分裂を繰り返すうちに徐々に低下していきます。
(2)分化性分裂細胞
骨髄細胞、神経芽細胞、筋芽細胞がこれに当たりますが、
分化って何なのかは生理学1で軽く言いましたが、もう一度書くと、分裂の過程で「この働きをする細胞になる」という目的に沿った細胞組織を構成することを分化と言います。役割分けです。
例えば血液は脊髄で作られるっていうのは聞いたことがあるかなと思いますが、血液産生時には骨髄にある「造血幹細胞」が分裂増殖しているんですよね。
その成長過程で、ある細胞は赤血球に、ある細胞は白血球、他のは血小板に・・・と細胞が分化します。
そういう、常に分裂し続け、そこから多数の細胞を分化させている分裂細胞を分化性分裂細胞と言います。
②分裂や増殖をほぼしない非分裂細胞
非分裂細胞にも種類があります。
(1)固定性分裂終了細胞
神経細胞や心筋細胞、血管内皮細胞、赤血球などはある一定のところまで発達した後はそれ以上成長・増殖はしません。
増殖のコピー元になる細胞である幹細胞自体は存在しているので、ごくごく僅かな増殖は存在していますが、途中から増殖していないように見えるほど大幅に増殖が減ります。ここからガンが発生することはありません。
(2)可逆性分裂終了細胞
これは、普段は増殖しないけど特定の条件下で分裂する細胞のことです。
例えば肝臓の細胞は普段は分裂増殖をしませんが、手術や事故など、何らかの理由で細胞が欠損した時は増殖します。
なんと、肝臓は60%くらいまでだったら切除してもある程度機能が復活すると言われているすんごい臓器です。他の臓器はこうは行きません。
腎臓も、片方を切り取るともう片方が肥大しその失われた機能を補おうとします。
他にも、平滑筋細胞、リンパ球もこれに当たります。
平滑筋というのは、腕や足や顔の筋肉と違って自分で意識して動かすことが出来ない種類の筋肉で、自律神経などにより調整されて自動で動く筋肉のことです。
臓器の筋細胞は平滑筋細胞です。それらの細胞はそういったイレギュラーなことがない限りはまったく増殖しないのかと言えば、そんなことはありませんが、あるとしても1~2年に1回程度です。つまり臓器の細胞はそんなに新生しないんですよね。体を大事にしましょう。
理解確認テスト
(1)細胞が分裂の過程で特定の役割のために変化することを何というか?
(2)神経細胞や心筋細胞は、成長期を終えた後も分裂しその機能を守る。〇か×か?
(3)肝細胞は頻繁に分裂する?それとも条件付きの分裂?
(4)自力では動かせず、自律神経による制御を受ける筋肉を何と言う?
答えはご自身でチェックしてね♡