妊娠中のアロマは何故危険?

流産や早産等にはほぼ繋がらない

主に通経作用、子宮収縮作用、堕胎作用、エストロゲン様作用などのホルモン様作用がある精油は、妊婦さんは避けた方が良いと言われています。

例えば、クラリーセージ、クローブ、サイプレス、サンダルウッド、シダーウッド、シナモン、スターアニス、セージ、ナツメグ、ニアウリ・シネオール、真正ラベンダー、パルマローザ、フェンネル、ペパーミント、マジョラム、レモングラスなどにそういった作用が存在しています。

が、実際アロマテラピーを通常の範囲で使用されている状況で、流産や早産、妊娠中毒症などの問題が出たという記録はおそらくないのでは、と言われています。私も複数のスクールでアロマテラピー講座を受講しましたが、どの講師も「精油の特性」のせいで流産や死産、早産を誘発した例はないとおっしゃっていました。

「アロマテラピーが原因で流産した」と報告されているもののほとんどは、通常使用の範囲を超えて、望まない妊娠をされた女性が堕胎効果を狙って「10~20mL以上も大量に服用した」ケースがほとんどであり、それは「何かしらの濃い成分のものを体が許す範囲を超えて大量服用した結果に生命の危険が生じ、その結果として流産も起こった」ことが原因ですので、「その精油の効能によるもの」というのとは話が違うようです。

もしアロマテラピーで流産するなら、昔よく防虫剤に樟脳(カンファー)が使われていた時代には、流産や早産はもっと多かったはずではと思います。

また、アロマテラピー研究家の中には「他人より詳しい注意喚起をしたり決まりを作ったりすることによって、そういうことを言わない他の専門家よりも深くアロマテラピーに精通しているという印象を消費者に持たせ、専門家としての地位や権威を見せようとする」という方も残念ながらおられ、一時期そういった方がとにかく危険性を強く押されたこともあり、「妊娠中は一部の精油については流産の危険性があるので使用してはいけない」という通説が出回っている部分もあると言われています。

 

3歳未満には適していない成分がある

大人にとっては毒性の非常に低くて有益であったとしても3歳未満の子供にとっては使用を控えるべき成分も存在しています。そういった成分を母体を通して胎児が影響を受けてしまうレベルで受け取ることがないよう、妊娠中の大量使用は控えめにしたほうが良いでしょう。

 

 

アレルギーを発症しやすい

妊娠中の体というのは、決して通常とは違い、免疫システムに関しても普段と違う反応をし、アレルギーを発症する物質も増加しやすい時期です。筆者や筆者の知り合いの中には、それまでは花粉やエビに対して何の問題もなかったのに、妊娠中にアレルギーを発症したという人もそこそこいるので、「アレルギーを発症しないためにも、妊娠中は芳香浴以外は遠ざかったほうが良い」と思います。

精油の通常の範囲で流産などを誘発することはないとしても、「ノセボ効果」というものもあり、本当は何も問題がなかったとしても「体に悪い」と通説として出回っていることをしてしまうと気分や体調が悪くなったように感じることがあります。妊娠中の方に余計な心配はやっぱりさせたくありません。

ですから、基本的に妊婦さんは、アレルギーを発症しやすい時期であること、そして心配を増やさない為にも、軽い芳香浴程度のアロマテラピーにとどめておかれたほうが安心なのかなと思います。つわりに良いものがあったとしても、芳香浴もアレルギーを発症しないわけではないので、軽めに、軽めに。

正直なところ、アレルギーとは無縁だったのに妊娠中にアレルギーを発症した身としては、アロマの知識がどれだけあったとしても妊娠中の異常事態は自分の体であれ予測不可能なので「自己責任でどうぞ」とも言いたくありません。知識が正しかったとしても、それまで全く問題なかったとしても、期待通りに体が反応してくれない…それが妊娠中なのです。

つまり、精油ごとの特徴的な性質(例:真正ラベンダーは通経作用があるなど)が赤ちゃんや妊娠中のお体にどのような影響を及ぼすかだけが、妊娠中のアロマテラピーにおいて気を付けるべきことではないということです。

本当に慎重になって、その後のアロマライフの恩恵や食生活の喜びを減らさないように、妊娠中だけアレルゲンや成分の濃いものは意識的に避けてくださいね。精油は成分が濃く、EU化粧品規則指定の香料アレルゲンをそれなりに含むものなのでそれまで大丈夫だった方もアレルギーを発症しやすいという点で、妊娠中は塗布や必要以上の使用を避けても良いアイテムの一つだと思います。

 

 

*妊娠中のアロマが流産などを引き起こしたという報告は存在しない

*一部の成分はお子様の発育への影響もあるので、大量使用しない。

妊娠中は相当にアレルギーを発症しやすいので、アロマ以外でも今まで大丈夫だったアレルゲンも含めて過剰摂取は控えましょう。

*軽い芳香浴程度にしておきましょう(1回5~10分、1日2回程度)

 

 

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